World > Latin America > Caribe > Cuba | ||||||||||||||||
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Artist | ||||||||||||||||
MARIA TERESA VERA Y RAFAEL ZEQUEIRA |
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Title | ||||||||||||||||
EL LEGENDARIO DUO DE LA TROVA CUBANA |
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Review |
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以前はスイス、現在はスペインが発売元だが、詳細な連絡先や企画者の名まえがどこにもクレジットされていない謎のレーベル、トゥンバオ'TUMBAO'は、1991年以来、1930年代から50年代なかばごろまでのキューバ音楽の古典を中心に、驚くほどのハイペースでCD復刻をしてきた。ニューヨークにおける40年代後半からのマンボ創世期の音源の復刻にも力を注いでいる。 しかも、たんに貴重な音源の復刻というにとどまらず、アルバムごとに編集意図がしっかりしている点を評価したい。これまでのラテン系音楽のCDといえば、見栄えのしないジャケットに、データもろくに掲載していないケースが大半だったため、気の利いたジャケットで、録音データと英語解説(ときにスペイン語のみの場合も)が付いているというのは、リスナーにはありがたいかぎり。トゥンバオ・レーベルの登場によって、これまでキューバ音楽の歴史が塗り替えられたといってもいい過ぎではない。 2002年4月までに少なくとも120枚以上リリースされたトゥンバオ盤のなかでも、もっとも古く、かつ貴重な音源の復刻といえるのが本盤である。 マリア・テレーサ・ベラは、キューバのポピュラー音楽黎明期を代表する女性トローバ歌手。トローバとは、かつて宗主国であったスペイン起源のカンショーン、クリオージャ、クラーベなどの音楽をひっくるめての呼称である。 1868年以来つづいた独立闘争の末、1902年、アメリカ合衆国の協力を得て、ついにスペインから独立をはたしたキューバであったが、代わってアメリカ資本が爆発的に流入し、キューバはアメリカの半ば植民地状態に置かれることとなった。没落した農民は仕事を求めてハバナなどの都市部へ流入し、ぼう大な数にのぼる貧困層を生んだ。1895年生まれのマリア・テレーサ・ベラもまた、家族とともに地方から都市へと移住してきたひとりであった。 ハバナでは、シンド・ガラーイやマヌエル・コローナといったトロバドール(吟遊詩人)たちが生活の糧を得るために、曲を作っては、ギターを手に夜の街で歌っていた。日本でいうところの“流し”である。幼い日から歌の才能に恵まれていた彼女は、16歳のときにはトロバドール仲間のあいだでは、すでに知られる存在だったという。 彼女のファースト・レコーディングは、1914年、19歳のときで、ラファエル・セケーラとのデュエットでおこなっている。セケーラとのコンビによるレコーディングは、セケーラが亡くなる24年までに193曲に及ぶという。 マリア・テレーサが若くして成功した要因は、もちろん彼女の才能もあっただろうが、それと同時に、作曲家マヌエル・コローナのサポートに負うところが大きい。コローナは、彼女に多くの楽曲を提供したのみならず、レコーディングにさいしては、ギターが弾けなかったセケーラに代わってセカンド・ギターとコーラスを受け持った。 |
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(4.26.02)
(3.10.04加筆) |
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